2.2 著作者の権利とは

あかり
今回は著作者の権利について説明します。
かなた
「著作権」と違うんですか?


あかり
日頃、「著作権」とひとくちに言ってしまうけれど、実は著作権法で規定されている権利はたくさんあるんです。
具体的には次のものが挙げられます。
【著作者人格権】
公表権(18条)
氏名表示権(19条)
同一性保持権(20条)
【著作財産権】
複製権(21条)
上演権・演奏権(22条)
上映権(22条の2)
公衆送信権(23条)
口述権(24条)
展示権(25条)
頒布権(26条)
譲渡権(26条の2)
貸与権(26条の3)
翻訳権・翻案権(27条)
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)
かなた
うへぇー…こんなにたくさんあるんですか…。
なんかいろいろな権利が出てきますねぇ。


あかり
いきなり全部憶えようとしてもなかなか難しいでしょう?
こういうのは大きなところから分けていって順番に憶えていく方が楽ですよ。
さて、まずは大きく分けて「著作者人格権」と「著作財産権」に分けることができます。
【著作者人格権】
公表権(18条)
氏名表示権(19条)
同一性保持権(20条)

あかり
著作者人格権とは実は文字通りの意味です。
「著作者」とは、前回説明した「著作物」を作った人のことだと考えてもらえればOKです。
この著作者自身に依存した権利のことなのです。
かなた
なるほど。
文字通り、著作者本人の人格に関する権利ってことか。
やっぱり漢字ってわかりやすいですね!


あかり
つぎは「著作財産権」です。
一般的に「著作権」といえばこちらのことを指します。
他人に譲渡や許諾をしたり、または許諾しないことで財産形成に役立てるための権利ですね。

あかり
これらの一番の違いは、他人に譲渡(許諾することや売買すること)ができるかどうかという点です。
「著作者人格権」については譲渡ができません。
なぜならば、これらは著作者個人の人格に基づく権利だからです。
その人だからこそ、存在する権利なのですね。
一方の「著作財産権」は譲渡をすることができます。
かなた
ふむふむ…って、あれ?


あかり
おや、どうしました?かなた。
かなた
あかり先生、これうっかりミスですか?
財産権のほうは、「著作財産権」になっていますよね。
「者」を入れ忘れたんですか?


あかり
……(ニヤニヤ)
かなた
うっ、ちょ、え、なんなんですか……。


あかり
すでに何回も言ってるし、いまさら間違いなわけないでしょう。
これは別にうっかり忘れてしまったとか、そういうのではないですよ。
かなた
あ、やっぱりそうですか


あかり
でもいいところに気がつきましたね。
こういう細かい違いを知っておくのも理解の手助けとなりますからね。
かなた、ついさっき説明したばっかりですが、「著作者人格権」と「著作財産権」の一番の違いは何でしたか?
かなた
え?うーんと、えーっと…。
…文字数が違うとかそんなんでしたっけ?


あかり
はいそのとおり、よくできましたー。そこが大事なのよねー…って

あかり
あ な た は い っ た い 何 を 聞 い て い た の で す か?
かなた
じょ、冗談です!
「著作者人格権」は譲渡をすることができません!
一方の「著作財産権」は譲渡をすることができるって話でしたよね!


あかり
ええ、そのとおりです。
さて、何か気づきませんか?
かなた
え?ううーんと…

かなた
あ!つまりこういうことですか?
著作者自身に関する権利だから「著作 者 人格権」。
一方「著作財産権」はそうじゃないから「者」が付かない!


あかり
はい、そう憶えるとわかりやすいのではないでしょうか。
わかってしまえば簡単でしょう?
かなた
ふふーん、さっすがあたし!
目の付け所がシャー


あかり
はい、その程度にしておきましょうね。
じゃあ次はこれに関連して「著作者」と「著作権者」についても説明しておきましょうか。
これも言葉が似ているから一見ややこしいけど、考え方は似ていますよ。
かなた
「著作者」は著作物を作った人…
「著作権者」は著作権を有している人…でいいのかな。
ん?「著作者」と「著作権者」って異なることがあるんですか?


あかり
あらあら、さっきのドヤ顔はどうしたの?
「著作財産権」については、他人への譲渡ができましたよね?
たとえば、著作者が何かしらの「著作財産権」を他人に譲渡したら?
かなた
ああそっかー。
「著作者」と「著作権者」が異なりますね!


あかり
はい、よくできました。
簡単な説明ではありましたが、
「著作者人格権」と「著作財産権」、「著作者」と「著作権者」。
これらの違いは理解できましたか?
りょう先生の解説

りょう
第2回目は、著作者の権利の概要です。
大きく分けて「著作者人格権」と「著作財産権」に分かれます。
「著作者人格権」は著作者の人格に基づくものですので、譲渡や相続の対象にできません。
一方、日常使われるいわゆる「著作権」という言葉が指すものが「著作財産権」です。
ただ単に「著作権」と言っても、実は多くの種類があります。
これらの詳細は次回以降に紹介したいと思います。
また、「著作者」と「著作権者」の違いも一緒に解説しました。
現実には著作者と著作権者が異なるということは、よくあることです。
もしも許諾を得ようとする場合、著作権者はいったい誰なのかをよく調べないといけませんね。
わかりにくいことやご質問がありましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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