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2.3 著作者人格権

あかり

まずは著作者人格権から解説していきましょう。
前回の復習ですが、著作者人格権には次の3つがありましたね。

 
 

【著作者人格権】
 公表権(18条)
 氏名表示権(19条)
 同一性保持権(20条)

 
 

かなた

はいっ、それくらいは憶えていますよ!

あかり

それ以外のことも憶えておきましょうねー。

まずは前回のおさらいです。
著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができないことが特徴でしたね。(59条)
それじゃあ順番に、条文も交えて解説していきます。

 
 

(公表権)
第十八条 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。

(2項以降省略)

 

あかり

最初は18条に規定されている「公表権」です。
簡単にいえば「未発表の著作物を公表する権利」です。
著作者は、著作物をいつどうやって公表するかを自由に決めることができます。

 

あかり

ちなみに未発表である必要があるので、一度公開された著作物には公表権はありません。
ただしカッコ書きにあるように、著作者の同意を得ないで公表された著作物であれば問題ありません。

 
 

かなた

うんうん、これは文字通りですし、わかりやすいですね。

あかり

さて、ここにありますは、かなたさんのヒミツの日記帳~

 
 

かなた

ちょっ、え、なんで!?

あかり

じゃあこれをちょっと事務所の外で大声で朗読してきますね!

 
 

かなた

あっ、そ、そんなことするのは公表権の侵害ですよ~!

あかり

と、ここでネタばらし。
表紙だけかなたの日記帳で中身はかなたの恥ずかしいポエム帳でした~

 
 

かなた

あっ、な~んだ、よかったぁー…

 

かなた

…って、むしろもっとひどいわーーー!!!

あかり

ふふふ…さすがに冗談です。
中身ももちろんただの本ですよ!

適当な事例が思いつかなかったので無理矢理ギャグ展開にしてみたかっただけです♪

 
 

かなた

はぁぁ…。
そんなものを勝手に公表されたりしたら寿命が縮みますよ…。

あかり

ところで、冗談で言ってみたのにその反応。
もしかしてほんとにヒミツのポエム帳なんてもってるの…?

 
 

かなた

ん? ………あっ。

そそそ、そんなものあるわけないじゃないですカッ!

あかり

(さんざん酷いことしておいてあれだけどこれ以上触れないであげたほうが良さそうねー…)

 
 

(氏名表示権)
第十九条 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
2 著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。
3 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。
(4項省略)

 

あかり

さて、長すぎるギャグパートはこんなものにして…

次は19条に規定されている「氏名表示権」です。
これは「著作物に対して、著作者の表示をどうすべきか決定する権利」とでも言えばいいでしょうか。
実名を出すか、ペンネームなどの変名にするか、はたまた匿名にするか、を著作者は自由に決定することができます。
より具体的に言えば、クレジットの有無やクレジットの名義をどうするかを指定したりすることですね。

 

あかり

また、これは二次的著作物についても同様です。(19条1項後段)
二次的著作物については後ほど詳しく解説しますが、要するに原作品があってそれを基に新たに作った著作物のことです。
たとえばマンガ原作のアニメなどが該当ですね。

 
 

かなた

あー、たしかにアニメのOPとかで、ふつうは原作の漫画名とか作者とか、出てきますね。

あかり

また、著作物にすでに著作者が表示している名前があって、著作者が特に何も言ってこなければそれを使えばOKです。(19条2項)

さてさて、じゃあここでまた質問しますね。
3項の内容は、「著作物の利用目的によっては、著作者の利益が害されないときには表示を省略することができるよー」といった感じの内容ですが、具体例は何か思いつきますか?

 
 

かなた

んあ?
えーと…さっぱりわからないです…。

あかり

じゃあ、このたびうちの事務所で許諾を得て市販のCDの曲をBGMとして流すとします。
そして仮に、なんでもかんでも名前を表示しなければならないとしましょう。
さあ、この場合どうなりますか?

 
 

かなた

んー…。

 

かなた

あ、もしかして、再生するたびに著作者の表示をしなきゃならない?

あかり

その通りです!
どう?わずらわしくない?

 
 

かなた

うわー、確かにその通りです。
むしろその著作権者表示のほうが記憶に残っちゃうかもしれない…。
やっぱり具体例で教えてもらえると、わかりやすいですね!

 

(同一性保持権)
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
(2項省略)

 

あかり

じゃあ最後に20条の「同一性保持権」です。
これは、「著作者の意に反して著作物やタイトルを勝手に改変されない権利」です。

ここでよく問題になるのは「パロディ」についてですね。
著作者に無断でパロディをする場合は注意が必要と言わざるを得ません。

 
 

かなた

ああー、やっぱりそうなんですね。
パロディのときに「○○先生すみません」みたいな表示、たまにありますよね。

あかり

ただし2項以降で例外が規定されています。
学校教育上やむを得ないと認められる用字・用語の変更や、建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変などです。

 
 

かなた

なるほど。
低学年向けに漢字をひらがなにしたりとか、ですね。

あかり

さて、簡単な解説ではありましたが著作者人格権については以上です。
次回は著作財産権に行きますよ♪

 

りょう先生の解説

りょう

第3回目は、著作者人格権の各論です。
細かいことを言い出したらキリがないので、省くことは省いて簡単にまとめました。

同一性保持権などは、二次創作を中心とした同人作品などにも関わりかねないものです。
清純な女子高校生と性格付けられていたキャラクターに酷似したキャラクターの、露骨な性描写を内容とする成人向けのアニメーションビデオを制作したことが同一性保持権の侵害と認められた判例もあります。
あえてタイトル等は書きませんが、有名な恋愛シミュレーションゲームです。
著作権の判例の中には、私たちが普通に知っているものが対象になっているものもあり、結構おもしろかったりします。

ちなみに、かなたの日記を勝手に朗読することに関しては公表権云々以外にもいろいろ問題ありそうですが、こまけぇことはいいんだよってことでスルーしてください。

 

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© 2013 Ryo Tsuchiya