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2.4 著作財産権(1)

著作財産権の概要と存続期間

あかり

それでは前回の著作者人格権に続き、今回は著作財産権の紹介です。

まず、著作財産権の一覧です。

 
 

【著作財産権】
 複製権(21条)
 上演権・演奏権(22条)
 上映権(22条の2)
 公衆送信権(23条)
 口述権(24条)
 展示権(25条)
 頒布権(26条)
 譲渡権(26条の2)
 貸与権(26条の3)
 翻訳権・翻案権(27条)
 二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)

 
 

かなた

うぅ…そうでした。
こっちはとってもいっぱいあるんですよね…

あかり

数自体は多いんだけど、一度に憶える必要はないのでゆっくり憶えていきましょう。
今回は『展示権』までの解説をしますね。

 

あかり

著作財産権の特徴は、自由に譲渡ができることです。
そのため、普段「著作権」というと著作財産権のことをいいます。
これは以前にも説明しましたね。

また、「著作権は作者の死後50年」といったことは聞いたことありませんか?
原則としてこれらの権利は著作者の死後50年間は存続します。(51条2項)

 
 

かなた

著作者人格権も同じですか?

あかり

あぁ、すいません。
これは前回触れておけばよかったですね…。

著作者人格権は著作者の一身に専属する権利なので、厳密には著作者の死亡とともに消滅します。
ただし、著作権法の60条に、死後においても「著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない」とする条文があります。
これにより、死後にも著作者人格権の侵害となる行為が禁止されていますので、実質的には半永久的に保護されることになります。

 
 

かなた

なるほど。
著作財産権に関しては、著作者の死後50年。
著作者人格権に関しては、実質的にずーっとなんですね。

あかり

さて、それでは各論に入っていきましょうか。

 

複製権

 

(複製権)
第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

 

あかり

まずは『複製権』です。
条文もたいへんシンプルですね。
これはそのものズバリ、著作物を複製することに関する権利です!

これが該当するものは、たとえばコピー機でコピーしたり、デジタルカメラで撮影したり、スキャナで取り込んだり、など割と身近に関係することが多いのではないでしょうか。

 
 

かなた

うーん…。
そうなると、たとえば新聞の一部をコピーして保存しておいたりするのもマズイんですか?

あかり

いいえ、そのような複製は目的によっては大丈夫です。
これは後日詳しく紹介しますが、著作権もすべての行為に及ぶわけではないからです。
かなたのしている複製が、私的使用のための複製ならば問題ありません。(30条)

ただし、たとえばそのコピーを事務所での会議用資料に使用したりすると、著作権の制限事項には当てはまらなくなってしまい複製権者の許諾が必要となりますので注意です。

 
 

かなた

なるほど。
あたしの場合は、ちょっとポイントだと思ったところをスクラップして使うだけなので大丈夫そうですね。
どんな複製にも許諾が必要ってわけではないんですね。

上演権・演奏権

 

(上演権及び演奏権)
第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

 

あかり

次は『上演権・演奏権』です。
著作権者に無断で公衆に上演や演奏をされない権利です。
「上演」とは、演劇などの演奏以外のものを意味します。

また、2条7項で上演や演奏の定義がされていますが、それによると「録音され、又は録画されたもの再生すること」も含まれます。
生の演劇や演奏以外も無断で行ってはならないということですね。

 
 

かなた

こういう形の無い芸術も著作権の保護対象なんですね。

そういえば前回もちょっと話に挙がりましたけど、市販CDの曲を事務所のBGMとして流したりすることは演奏権の侵害なんですか?

あかり

現在では営利目的の場合は演奏権の侵害となってしまいます。
1999年の著作権法改正までは経過措置として許されていたのですが、現在は当該条文が廃止されています。(著作権法附則第14条)

 

上映権

 

(上映権)
第二十二条の二 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。

 

あかり

さて、似たような権利で次の『上映権』があります。

言葉からすると、映画のことをイメージしがちですが、対象となるのは映画の著作物だけではなく、「上映」とは著作物を「映写幕その他の物に映写すること」ですので注意が必要です。(2条1項17号)

 
 

かなた

スクリーンに他人が撮影した写真を映したり、とかですか?

あかり

おぉ~、その通りです!
今日は冴えていますね!

 
 

かなた

かなたちゃんはいつだって冴えてますよ!!

公衆送信権

 

(公衆送信権等)
第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

 

あかり

次は『公衆送信権』です。
これはインターネットを使っていると非常に関係あるものですよ。

 
 

かなた

公衆送信…?
インターネットと何が関係あるんでしょうか?

あかり

公衆送信権について、一番気をつけなければならないのはブログやホームページへのアップロードです。
他人が撮影した写真を無断でブログやホームページに掲載したりすることは公衆送信権の侵害にあたります。

 

あかり

かなたも、自分の恥ずかしいブログにアップロードするときは少し気をつけてくださいよ?

 
 

かなた

あぁーほんとですねぇ。気をつけます…

…って、あかり先生、なんで私がブログやってるって知ってるんですか?

あかり

ほんとかなたって扱いやすいですね。

 
 

かなた

んー…
あ、もしかして、あたし騙されました?

あかり

いーえ、そんなことないですよ。
かなたは素直で優しい子だなぁって話です♪

 
 

かなた

あー、そうでしたかー? あれれー?

あかり

ちなみに、実際にブログやホームページに掲載しなくても、サーバにアップロードしてダウンロード可能にする状態でも侵害となることがあります。
これを『送信可能化』といいます。

 
 

かなた

ふと思ったんですけど、たとえばおそば屋さんとかでテレビを置いといてお客さんが自由に見られるところとかありますよね?
あれは公衆送信権の侵害ではないんですか?

あかり

飲食店等で家庭用テレビ向けに放送されているものをそのまま見せることは、営利目的でもなく聴衆から料金も受けませんので、問題ありません。(38条3項)

 

口述権、展示権

 

(口述権)
第二十四条 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

(展示権)
第二十五条 著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

 

あかり

次は『口述権』です。
口述とは、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること」と定義されており(2条1項18号)、言語の著作物のみに認められます。

また、『展示権』は、無断で原作品を公に展示されない権利です。
これも美術や写真のみに認められるものです。

 
 

かなた

これらはサクッと説明する程度で大丈夫ですね。

あかり

さて、著作財産権の1回目はここまでです。
頒布権以降については2回目で解説しますね♪

 

りょう先生の解説

りょう

第4回目は、著作財産権の各論その1です。
当初は1回ですべてやる予定でしたが、書きたいことを書いていると分量が多くなってしまい、やむなく2回に分けることにしました。

一個人として身近に影響がありそうなのは、やはり複製権と公衆送信権等になると思います。
違法コピー、違法ダウンロード、海賊版などはこのあたりが問題となります。
思わぬところで違法行為を行ってしまわないよう、巻き込まれないように、最低限の知識はやはり持っておく必要があるのではないかと思います。

 

※免責事項

この記事は内容をわかりやすくするために、詳細な説明を省略したり言葉を置き換えたりして書かれています。
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© 2013 Ryo Tsuchiya