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2.5 著作財産権(2)

あかり

前回の引き続きで、著作財産権の2回目です。
まず、著作財産権の一覧です。

 
 

【著作財産権】
 複製権(21条)
 上演権・演奏権(22条)
 上映権(22条の2)
 公衆送信権(23条)
 口述権(24条)
 展示権(25条)
 頒布権(26条)
 譲渡権(26条の2)
 貸与権(26条の3)
 翻訳権・翻案権(27条)
 二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)

 
 

かなた

今回は『頒布権』以降についてでしたね。

あかり

その通りですね。
じゃあ、尺も限られてますので早速始めましょうか。

 

頒布権、譲渡権、貸与権

 

(頒布権)
第二十六条 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
2 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

 

あかり

まず最初に3つの権利の概要を説明してしまいます。

まず「頒布」とは、有償無償問わず公衆に譲渡し又は貸与することを指します。
『頒布権』は条文にあるとおり、映画の著作物にのみ認められる権利です。

 
 

(譲渡権)
第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
(2項1号~5号 省略)

 

あかり

そして、似たものとして次の『譲渡権』です。
譲渡権は著作物を無断で譲渡により公衆に提供されない権利です。
映画の著作物については前述の『頒布権』により保護されますので、映画以外の著作物に及ぶ権利です。

 
 

(貸与権)
第二十六条の三 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

 

あかり

また、次の『貸与権』は、他人に貸すことに関する権利です。
これも映画の著作物は『頒布権』により保護されますので、映画以外の著作物に及ぶ権利です。

街で見かけるレンタルCDショップなどは著作権者から貸与権を受けて営業しているはずです。
自分で買ってきたCDなどを著作権者に許可なく公衆に有料で貸したりすることはやっちゃダメってことです。

 
 

かなた

気のせいか、『頒布権』と『譲渡権』の違いがわからないんですが…。

あかり

『頒布権』と『譲渡権』の違いは、権利がどこまで及ぶかに大きな違いがあります。

『譲渡権』は、一度譲渡された後の譲渡には及びません。
これを権利が「消尽(しょうじん)」する、といいます。

わかりやすくいえば、かなたが一度新品で買ったCDを中古CD屋さんに売ったとします。
中古CD屋さんは新たに値段を付けて、もちろんまた他人へ売ろうとお店に並べますよね。
これは譲渡権が消尽し、中古CD屋さんまでは及ばないから、中古CD屋さんは自由に販売することが出来るんです。
仮にもし譲渡権が及ぶとすれば、中古CD屋さんは許諾なくCDをお店に並べることができないことになります。

一方の『頒布権』は消尽せず、第一譲渡以降の譲渡にも権利が及びます。

 
 

かなた

ふーん…なんとなくわかるような…?

あかり

そうですね。
ちょっとこのあたりの考え方は難しいし、本来ならもっと細かく説明しないと理解しにくいかもしれません。

参考までに、テレビゲームの中古販売について争われた事例があります。
興味があったら調べてみてくださいね。

 
 

かなた

わかりました。
たまには宿題ってことですね~。

翻訳権・翻案権

 

(翻訳権、翻案権等)
第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

 

あかり

次は『翻訳権・翻案権』についてです。
条文を見たままではありますが、原著作物を翻訳したり編曲したりに関する権利ですね。
具体的にはたとえば小説をドラマ化したり、マンガをアニメ化したりです。

これは同人活動などにも密接に関係してきます。
いわゆる『二次創作』の問題です。

 
 

かなた

確かに、同人誌にしろ音楽にしろ、二次創作のものって多いですね。
現状は二次創作ジャンルの方がオリジナルよりも圧倒的に勢いがありますよね。
これらって問題ないんですか?

あかり

あえて言わせてもらえば、権利者が黙認しているのであれば大丈夫ではないでしょうか。
ただ、いつ著作権侵害を理由に文句言われるかはわかりませんが…としか言えませんね。

もちろん著作権者側で二次創作に関するガイドライン等を公表して明示的に許可を出しているものならば問題はありませんよ。

 
 

かなた

ああ、やっぱりそうなんですか。

あかり

個人的な考えとしては、「文化の発展に寄与すること」も著作権法1条で掲げられている目的ですから、ある程度黙認されている現状も悪いことではないのではないかと考えています。
もちろん、許可を得てから作るのがベストだとは思いますが…。

二次創作が盛んに行われることが「文化の発展に寄与すること」も十分にあり得ることではないでしょうか?
また、二次創作が行われることで原作が利益を受けている場合もあるかもしれません。
黙認であろうが明示的な許可であろうが、「著作権者自身が被害にあっていないと思っているならば訴えない」という現状のスタンスでもいいのではないかと考えています。

TPPの関係で著作権の非親告罪化も検討されていますが、そうなるとこのあたりがどうなってしまうのか、少し心配です。

 
 

かなた

「非親告罪化」ってどういうことですか?

あかり

それについては逆に「親告罪」の説明をしましょうか。
「親告罪」というのは、告訴がなければ公訴が出来ない…つまり、被害者が訴えなければ検察側では訴えることができない罪です。

現状は親告罪なんですが、我が国がTPPに参加するとなるとこれが非親告罪になるかもしれません。

 
 

かなた

なるほど…。
つまり著作権者自身は訴えるつもりがなくても、訴えられちゃうかもしれないんですね。

二次的著作物の利用に関する原著作者の権利

 

(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

 

あかり

いよいよ最後ですね。
『二次的著作物の利用に関する原著作者の権利』についてです。

条文を読んでもわかりにくいと思うので、サクッとまとめますと、
「二次的著作物にも、原著作者の権利が及ぶよ!」ということです。

たとえば、外国の小説を翻訳し、その翻訳された小説を基に映画を作った場合、元々の外国の小説を書いた人の許可が必要になります。

 
 

かなた

翻訳した人の許可も必要なんですか?

あかり

もちろんです。
翻訳して二次的著作物を作った人の権利が制限されるわけではありませんからね。

 

まとめ

 

かなた

ふぅ~。やっと終わりですか!

あかり

ええ、そうね♪
お疲れ様でした。

 
 

かなた

もうこれで著作権に関してはバッチリですね!

あかり

そんなわけないじゃないですか。
今回の解説をするにあたって、わかりづらいことや専門的な内容はかなり省いて説明してます。
本当に理解したいならちゃんとした専門書を読みなさい。

 
 

かなた

うぅ~…ですよねぇ…。

あかり

さて、著作権の解説はまだまだ続きますよ~。

次回は著作権の制限についてご紹介します。
利用方法などによっては著作権が制限され、自由に使える場合があるんですよ♪

 

りょう先生の解説

りょう

著作財産権の各論その2です。
頒布権、譲渡権、貸与権のことや、ウチのサイトとして一番力を入れたかった翻案権・翻訳権等についての解説でした。

同人界隈ではオリジナルより二次創作のほうが圧倒的に多い印象です。
多くの方が二次創作のほうを求めているからでしょうが、個人的にはオリジナルのサークルさんにもがんばってもらいたかったりします。
そんなこともあってか私はオリジナルしか基本的にやっていません。
とかなんとかいいながら、昔はKeyとかのゲームBGMの二次創作アレンジを作って公開していたこともありましたが…。
(もちろん明示的に二次創作OKを出してたところだけです)

さて、TPPによる非親告罪化に関するくだりは、実は以前著作権に関する講義をしてくださったある方の意見そのままだったりします。
私もそのお話を伺って、このように強く思うようになりました。
今回は珍しく個人的見解を載せていますが、もちろん様々な考え方があるので、私の考え方が正解だとは思ってもいませんし強要しているわけでもありませんのであしからず。

もしこの解説を読んだことで、気になってより深く調べてみようと思う方がいらっしゃれば幸いです。
個人的には、創作活動を行う方にはぜひ著作権に関して興味を持ってもらいたいと考えています。

なお、TPPによる著作権法の非親告罪化に関しては、漫画家の赤松健氏などが精力的に活動されています。
実際に危機感を持たれて活動をされている方もたくさんいらっしゃるのです。
こちらに関しても、ご興味がありましたら是非調べて勉強してみてください。

 

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この記事は内容をわかりやすくするために、詳細な説明を省略したり言葉を置き換えたりして書かれています。
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© 2013 Ryo Tsuchiya