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2.7 著作権の保護期間

保護期間の原則

あかり

著作権がいつまで保護されるのか、以前にもちょっとだけ触れましたが憶えていますか?

 
 

かなた

えーっと、たしか著作者の死後50年間でしたっけ?

あかり

そのとおりです、よく憶えてましたね♪

著作権の保護期間については、著作権法の51条から58条に規定されています。
今回はそれらを詳しく見ていきますね。

 
 

(保護期間の原則)
第五十一条 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)五十年を経過するまでの間、存続する。

 

あかり

まずは原則の確認です。
著作権の存続期間は、著作物の創作の時から始まります。
また、条文の2項にあるとおり、著作権は著作者の死後50年間存続します。

 
 

かなた

原則…ってことは例外がまたいくつか出てくるんですね。

あかり

そのとおりです。
さっそく2項のカッコ書きにもありますね。
「共同著作物」については、最後に死亡した著作者の死後50年となります。

 
 

かなた

「共同著作物」ってなんですか?

あかり

法のなかで出てくる言葉の定義は第2条に定められていましたよね。
では、2条1項12号の共同著作物を見てみると…

 
 

(定義)
第二条
 十二 共同著作物 二人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。

 

あかり

「共同著作物」とは複数人で共同して創作した著作物のことですね。
後段にあるとおり、各人の寄与を分離できないものですので、最後に死亡した著作者から判断しているんです。

 
 

かなた

なーるほど。

無名又は変名の著作物の保護期間

 

(無名又は変名の著作物の保護期間)
第五十二条 無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後五十年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後五十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 一 変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。
 二 前項の期間内に第七十五条第一項の実名の登録があつたとき。
 三 著作者が前項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。

 

あかり

次は、「無名又は変名の著作物」です。
「無名」とは、文字通り誰が作ったものかわからない著作物です。
誰のものかわからないということは、当然死後起算をすることができません。
ですので、公表後50年と規定されています。

また、「変名」とはいわゆるペンネーム等のことで、そのペンネーム等では誰だかわからないもののことです。
こちらも無名と同じく著作者が誰か特定ができませんので、公表後50年です。

 
 

かなた

変名…といっても誰だか特定できるような有名なものはどうなんですか?

あかり

2項1号に書かれていますね。
周知のものであるときは原則どおり死後50年となりますよ。

 

団体名義の著作物の保護期間

 

(団体名義の著作物の保護期間)
第五十三条 法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年(その著作物がその創作後五十年以内に公表されなかつたときは、その創作後五十年)を経過するまでの間、存続する。
2 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。
3 第十五条第二項の規定により法人その他の団体が著作者である著作物の著作権の存続期間に関しては、第一項の著作物に該当する著作物以外の著作物についても、当該団体が著作の名義を有するものとみなして同項の規定を適用する。

 

あかり

次は「団体名義の著作物」です。
これは法人やその他の団体が名義になっている著作物のことです。
これも無名や変名の場合と同様、死後起算にはなじみませんので公表後50年です。

 
 

かなた

無名、変名の場合と同じですね。

映画の著作物の保護期間

 

(映画の著作物の保護期間)
第五十四条 映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。
2 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
3 前二条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。

 

あかり

次は「映画の著作物」です。
じつは映画の著作物だけは公表後70年です。
もともとは50年だったのですが2004年施行の著作権法改正で70年になりました。

 
 

かなた

なるほど。
どれも映画以外は数字も同じだし、そんなに難しくないですね。

 

【著作権の保護期間】
原則    著作権者の死後50年間
無名・変名 公表後50年間
団体    公表後50年間
映画    公表後70年間

 

あかり

これらの期間についても、たとえば無名や変名の著作物に実名の登録を行ったときなどには著作者の特定ができますから著作者の死後50年になります。
著作権の保護期間についても安易な判断はできませんのでご注意くださいね。

 

継続的刊行物等の公表の時

 

第五十六条 第五十二条第一項、第五十三条第一項及び第五十四条第一項の公表の時は、冊、号又は回を追つて公表する著作物については、毎冊、毎号又は毎回の公表の時によるものとし、一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。
2 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から三年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもつて前項の最終部分とみなす。

 

あかり

ここからは保護期間のオマケみたいな感じでさらにいくつか紹介していきます。
まずは「定期刊行物」です。
これはたとえば新聞に連載されているものなどですね。

 
 

かなた

連載されている著作物の場合に、いつから計算を始めるのかってことですね。

あかり

一話完結の連載ものはそれぞれの公表時です。
ただし毎回部分的に公表していって最終的に完成していく連載ものの場合は、最終部分の公表の時から起算されます。

 
 

かなた

てことは、完成させなければいつまでも保護されるんじゃ…?

あかり

2項をよく読んでくださいね。
直近の公表の時から3年を経ても公表されない場合には、すでに公表された最後の時からになりますよ。

 
 

かなた

あぁ~、そうですか…。

保護期間の計算方法

 

(保護期間の計算方法)
第五十七条 第五十一条第二項、第五十二条第一項、第五十三条第一項又は第五十四条第一項の場合において、著作者の死後五十年、著作物の公表後五十年若しくは創作後五十年又は著作物の公表後七十年若しくは創作後七十年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。

 

あかり

あとは実際の保護期間の計算方法です。
著作者の死亡、公表の時点から数えて50年(映画は70年)というわけではありません。
著作者の死亡、公表の翌年1月1日から起算されます。

 
 

かなた

じゃあたとえば今ポックリりょう先生が死亡したら、来年の2014年から50年間ということですね。

あかり

さすがにまだ死にはしないでしょうが、確かにそうなります…。

 

まとめ

あかり

今回の説明は以上です。
これら以外にも、今回は割愛しましたが他国の保護期間との関係や戦時加算といった注意すべき点があります。
安易に「保護期間が切れているはず!」といった判断をせず、詳細な調査をしたり専門家に相談するなどの対応が必要になります。

 
 

かなた

なるほどなぁ。
たしかにパクリはよくないですけど、でもあまり長期間使えないっていうのも考えものですね。

あかり

そうですね。
保護期間を設けて著作権者の権利や利益を保護するのはもちろん大事ですが、かといってあまりにも長期間保護しすぎることは文化の発展を阻害する要因にもなりかねません。
それらのバランスを取っているのも著作権法なのですよ。

 

りょう先生の解説

りょう

今回は著作権の保護期間についてです。

保護期間の数字に関してはそれほど複雑ではないと思います。
基本的に、死後ないしは公表から50年、映画だけ70年と憶えておけばいいかと思います。

保護期間が過ぎた外国の著作物を利用する際には「戦時加算」というものに注意しなければなりません。
また、表面上50年経過したからといっても、実はまだ保護期間内の可能性もあります。
取り返しの付かないことにならないよう、安易な判断は禁物です。

あと私はまだポックリ逝くつもりはないですよ(笑)

 

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© 2013 Ryo Tsuchiya