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3.2 相続手続きには期限がある

あかり

相続手続きには期限が定まっているものがいくつかあります。
それを意識しないでいたずらに長引かせてしまうと新たな問題が発生したり、損をする結果になることがあります。
非常に大事なので、真っ先にそれを解説しておきたいと思います。

 
 

かなた

よろしくお願いしますっ!

あかり

まずは全体からいきましょう。
最低限気にしておくべき期限は次の3つです。

 
 

相続の開始を知った時から3ヶ月以内 ・・・ 限定承認または相続放棄の申述
相続の開始の翌日から4ヶ月以内 ・・・ 準確定申告
相続の開始の翌日から10ヶ月以内 ・・・ 相続税の申告

 
 

かなた

おや、たった3つですか。

あかり

ホッとしたでしょ?

 
 

かなた

…やっぱりわかりますか?

あかり

細かく挙げていくともっとありますが、重要度が特に高いものはこの3つです。
実際にはちゃんと知っておかなきゃだめですよ?

 
 

かなた

はは…がんばります。
まずはこの3つから教えてください!

あかり

ふふ…。
じゃあ順番に解説していきますね。

 

相続の承認と放棄

あかり

まずは、「相続の開始を知った時から3ヶ月」の『限定承認』と『相続放棄』についてです。

相続人は、この期限までに相続に対する意思を決定しなければなりません。
選択肢としては『単純承認』(民法920条)、『限定承認』(民法922条)、『相続放棄』(民法939条)の3つです。

 
 

かなた

あれ、新しい言葉が出てきましたね。
『単純承認』?

あかり

はい、まずはその『単純承認』の説明をしましょう。

『単純承認』とは、プラスの財産(現金預金や不動産など)もマイナスの財産(借金やローンなど)もすべて相続することです。
3ヶ月の期限にこれが含まれていない理由は、3ヶ月が経過すると「単純承認をしたとみなされる」からです。
つまり何もしないで放っておいたら『単純承認』したことと同じになるんです。

 

あかり

『単純承認』をするためには特に必要な手続きはありません。
繰り返しますが、3ヶ月間経てば自動的に『単純承認』したことになります。

 
 

かなた

なるほど、そういう理由でしたか。

あかり

次に『限定承認』です。

『限定承認』とは、相続によって得たプラスの財産の限度でマイナスの財産に関する責任を負うものです。
たとえば借金の返済などがあるとしても、相続によって得たプラスの財産の額を限度に責任を負えばいいのです。
つまり、相続財産が最終的にプラスなのかマイナスなのか、よくわからない場合に選択をするべきものといえますね。

 
 

かなた

おっ、なんだか便利そうですね。

あかり

ただし、現実にはほとんど利用されていないようです。
理由として、家庭裁判所への申述が必要なこと、相続人全員で行わなければならないことなど、利用するにもハードルが高いことがあるのではないでしょうか。
特に後者の、「相続人全員で行わなければならない」というのは現実には大変です。
相続人がたくさん居て1人でも限定承認に納得しなければ使うことができませんからね。

人口動態を見ると平成24年度の死亡者数は1,256,359人、司法統計による平成24年度の限定承認の新受件数は833件です。
死亡者の数だけ相続が発生していると仮定すると、かなり少ないですよね。

 
 

かなた

そんなに少ないんですか!?
もっと利用されててもいいように思えますけど…

あかり

私もそう思うのですが、現実にはなかなか増えないようですね。

 

あかり

さて、3つめは『相続放棄』です。
これは相続財産の一切を放棄する、すなわち相続することを拒否することです。

相続財産がマイナスになってしまう場合や、そもそも相続に関する問題に関わりたくない、などの場合に利用します。

『相続放棄』も家庭裁判所に申述が必要ですが、これは個人ごとにできますので『限定承認』に比べるとかなり多いです。
先ほどと同じく、司法統計によると平成24年度は169,300件です。

ただしこれもまた難しい問題です。
相続財産の一切を放棄するわけですから、被相続人の事業を継ぐ場合など、何も相続しないわけにはいかない状況だと選ぶことが事実上できないですからね。

 
 

かなた

なんかいろいろ考えて決める必要があるんですね。
そうなると3ヶ月ってあっという間だったりしませんか?

あかり

そのとおりだと思います。
人が亡くなると、どうしてもバタバタして忙しくなってしまいますからね。

万が一3ヶ月のうちに相続財産が判断ができないときは、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立て」を行うことで期間を伸ばしてもらえる場合があります。

 
 

かなた

なるほど、そうなんですね。

あかり

さて。
実はココまでが本題で、ここから先はオマケだったりします。
というのも、ここから先はいずれも税理士の職域なので、行政書士の立場では深入りができません。
そのため、解説も簡単に済ませていきます。

 

準確定申告と相続税の申告

あかり

まずは「相続の開始の翌日から4ヶ月以内」に行う『準確定申告』です。

 
 

かなた

確定申告…はなんとなくわかりますけど、「準」ってなんですか?

あかり

『準確定申告』とは、亡くなった人、被相続人の確定申告のことです。
被相続人に確定申告が必要な所得がある場合には、相続人が忘れずに確定申告をしなければなりません。
ただし被相続人が会社勤めなどをしていた場合には、会社が行ってくれることもあったりするようです。

 
 

かなた

うへ~、死んでも所得税からは逃げられないんですねぇ…

あかり

次に「相続の開始の翌日から10ヶ月以内」に行う『相続税の申告』です。

きっとかなたは「相続といえば相続税!」って思っているんでしょうけど、実際には相続税が課税される相続はどれくらいあるか知っていますか?

 
 

かなた

えっ?
え~と、どれくらいでしょう?
…半分くらい?

あかり

あら、思った通りの反応ね。

実は相続税が課税される相続は、全体の約4%しかありません。
つまり9割5分の相続は、相続税を気にしなくていいんです。

 
 

かなた

ええっ!?
意外です。そんなに少ないんですか?

あかり

とはいえ、これは現状の数値です。
平成25年度の税制改正でこれもちょっと事情が変わってきそうですが…

このへんは大事なので、また後ほどということで♪

 
 

かなた

相変わらずもったいぶりますねぇ~

りょう先生の解説

りょう

今回は、相続に関する手続きの期限のお話です。
人が亡くなると、気が動転してバタバタしてしまうのは当然です。
ですが、それでも待ってはくれないものもあるので、気は引き締めておかなければならないのです。

準確定申告と相続税については、あかり先生も述べているとおり税理士さんの専門です。
行政書士は、税務署に提出する書類を作ったり、具体的な税の計算をすることができませんので、ここでは一般的な解説にとどめました。

本題は、相続の承認と放棄についてです。
これは3ヶ月という期限がありますが、まずそれを判断するためには財産調査を行わなければなりません。
財産調査には相応の時間が必要です。
適切な判断を行うためにも、財産調査は速やかに始める必要があるといえるでしょう。

 
 

データ引用:
・裁判所 司法統計 平成24年度
 「2 家事審判・調停事件の事件別新受件数 全家庭裁判所」
・厚生労働省 平成24年(2012)人口動態統計(確定数)の概況
 「第1表 人口動態総覧」

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya