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3.3 相続人と相続割合

法定相続人と相続割合

あかり

相続手続きを進めていくうえで「相続人の確定」をまず行います。

 
 

かなた

相続する権利がある人を明らかにするんですね。

あかり

ええ、そのとおりです。

相続が発生した場合に誰が相続人になるのかは、民法によって定められており、これを『法定相続人』といいます。
法定相続人には順位が決められており、前の順位の人がひとりも居ない場合に次の順位の人へ相続権がまわってくるイメージです。

 
 

【法定相続人の順位】
配偶者がいる場合は、必ず相続人となります。
以下の図は配偶者が居る場合で、薄い黄色の範囲が相続人を示しています。

配偶者 ・・・ 夫に対する妻、妻に対する夫のこと。
        法定相続人になるには事実婚や愛人関係ではダメで、
        必ず婚姻をしている必要がある。


(1)第1順位(民法887条)
 被相続人の子




(2)第2順位(民法889条1項1号)
 被相続人の直系尊属(基本的に被相続人の両親)




(3)第3順位(民法889条1項2号)
 被相続人の兄弟姉妹


 

 
 

かなた

ふむふむ、なるほど。
子どもがいれば子ども、子どもが居なければ親、親も居なければ兄弟姉妹が相続人になると。

あかり

また、それぞれの相続割合も決まっています。
次のとおりです。

 
 

【相続割合】(民法900条)
(1)第1順位の場合
 配偶者       1/2
 子         1/2
 
(2)第2順位
 配偶者       2/3
 被相続人の親    1/3
 
(3)第3順位
 配偶者       3/4
 被相続人の兄弟姉妹 1/4

 
 

かなた

ううー、憶えることが多いですよぉ~

あかり

あなた行政書士試験受けるんでしょ?
これは試験範囲の話なんですが…。

 

あかり

ちなみに、この割合をさらに同順位の相続人で分けることになります。
たとえば配偶者と子が2人の場合は、前述のとおり1/2ずつですが、子が2人いるので具体的な各自の法定相続分は次の通りです。

配偶者 ・・・ 1/2
子1  ・・・ 1/4
子2  ・・・ 1/4

また、配偶者がいない場合は、100%を同順位の相続人で分けることになります。
例として配偶者がすでに死亡しており、子が2人いる場合は次の通りです。

子1  ・・・ 1/2
子2  ・・・ 1/2

 
 

かなた

ところで割合って言われても…
きっちり分けられるものだけが相続財産じゃないですよね?

あかり

もちろんそうですね。
法定相続分はあくまでも原則です。
1円単位までキッチリわけることはあまりないと思うので、最終的には当事者同士の話し合いになることが多いのではないでしょうか。

 

代襲相続

あかり

また、相続人の例外として『代襲相続』というものもあります。(民法887条2項)

これはたとえば被相続人に孫がおり、被相続人が亡くなる前に子がすでに死亡していた場合に適用されます。
本来ならば子が相続する分を、孫が相続します。

 
 

 
 

かなた

なるほど。
でもそういった事例は亡くなる順番を考えればあまりないんじゃないですか?

あかり

代襲者が子ならば、ですね。
やっかいなのは第3順位の兄弟姉妹が相続人のケースです。
兄弟姉妹は同世代ですから、その兄弟姉妹に子がいて自身は先に亡くなっているケースは普通にありえます。

兄弟姉妹が相続人の場合は、ただでさえ疎遠だったり遠隔地に引っ越していたり行方知れずだったりするんですが、代襲相続まであると非常にやっかいだったりします。

 
 

かなた

おおぅ、それはたしかに…。

あかり

まあ唯一の救いは、兄弟姉妹は再代襲が無いことでしょうか。(民法889条では887条3項を準用していない)

再代襲とは、今説明した代襲相続をさらに代襲相続することです。
子が死亡していて孫もさらに死亡していた場合には、ひ孫が相続権を得ます。
子に関しては再代襲はいくらでもすることになります。(民法887条3項)
とはいえ現実的に何回も再代襲することはそうあり得ないでしょう。

話を戻しますと、兄弟姉妹の場合は再代襲が無いので、被相続人から見て甥・姪までしか相続人にはなり得ないということです。

 

相続人の調査

あかり

さて、じゃあ次は相続人を確定させるためにどうすればいいのかを解説しましょうか。
かなた、家族関係を調べるためには何をチェックすればいいでしょうか?

 
 

かなた

お、出た。突然の無茶振り。
え、えーと

あかり

はいそうです、家族関係を調べるには「戸籍」を調査します。

 
 

かなた

しかも端っから回答を期待してない…

あかり

「戸籍」とひとくちにいっても、具体的には被相続人の生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を調査しなければなりません。
そうでないと被相続人の子をすべて洗い出すことができません。
もちろん、途中に抜けがあってもダメです。

 
 

かなた

ん?
ちょっと待って、これって子が相続人の場合ですよね。
親とか兄弟姉妹が相続人の場合は?

あかり

もちろん、確定させるためにはさらに調査を行わなければなりません。
親が存命か、もし亡くなっている場合は親の戸籍を遡って兄弟姉妹をすべて洗い出し、彼らが存命か、もし亡くなっていればその子を…
といった感じですね♪

 
 

かなた

うへぇ…それってすごい時間かかるんじゃないですか?

あかり

そうですねぇ。
時間もそうですけど、戸籍取得の枚数が増えるので費用も結構かかってしまいますよ。

 
 

かなた

相続手続き…
初っぱなから大変なんですね…。

あかり

ちなみに、役所によっては亡くなった旨を伝えるとその役所で管理している分をまとめて出してくれるところもありますよ。

 
 

かなた

それはまだ救いですね。

あかり

戸籍のたどり方に関しては、ある程度戸籍に関する知識と慣れが必要だと思います。
戸籍が編成されるタイミングや、戸籍法の改正に伴う書式の変更についてなど、あらかじめ知っておかないと辿ることができなかったりすると思います。

 
 

かなた

なるほど、なんかいろいろ大変そうだ。
よし、うちの時は行政書士に頼もう。

あかり

あなた、未来の行政書士がそんなこと言ってどうするの…?

 

りょう先生の解説

りょう

今回は法定相続人と相続割合の解説です。

法定相続人はしっかりと確定させなければなりません。
なぜならば、相続人を欠いた遺産分割協議は無効となってしまい、一からやり直しになってしまうからです。
専門家として、そんな初歩的なミスを犯すわけにはいきません。

相続人の調査に関しては戸籍の知識と見方が必須の知識です。
一般の方でも可能な作業ですが、相応の勉強が必要となるかと思います。
戸籍の見方に関してはそれだけでも1冊の本になっているくらいです。
また、明治期に作られた初期の戸籍は非常に達筆だったり保存状態が悪かったりで、すでに読めなくなっているものもあったりします。

余談ですが、戸籍の種類に「改正原戸籍」というものがありますが、正しく「かいせいげんこせき」と読むと「現戸籍」が連想されてしまうので、勘違いを防ぐために専門家は「はらこせき」と呼んでたりします。
はい、ひとつ無駄知識が増えましたね。

何はともあれ、相続人を確定されることは基本的なことであり、かつ失敗してしまうと手戻りが発生してしまう大事なポイントです。
専門家に依頼することが一番確実といえるでしょう。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya