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3.4 相続財産調査

相続財産とは

あかり

相続人の調査と並行して、相続財産を調査する必要があります。
そもそも、何を相続するのかを確定させなくては協議することもできませんからね。

 
 

かなた

とはいっても…
相続財産って具体的にはどんなものを指すんですか?
お金とか家とかならわかりやすいですけど、他にはどんなものがあるんですか?

あかり

たしかにその通りです。
ではまずはどんなものが相続財産になるのか見ていきましょうか♪

相続財産と言われると、現金預金や家などのプラスの財産に目が行きやすいですが、マイナスの財産も忘れてはいけません。
例となるものをそれぞれ挙げてみましたよ。

 
 

【プラスの財産】
現金、預金、建物、土地、自動車、有価証券(株や投資信託など)、貸付金、売掛金、借地権など

【マイナスの財産】
借金、ローンなど

【相続財産にあたらないもの】
香典、墓地、仏壇など

 
 

かなた

なるほど~。
ちなみに、生命保険金は含まれないんですか?

あかり

原則として受取人の固有の権利とされますので相続財産には含まれません。
ただし、例外となる場合もありますので要注意です。
生命保険金に関しては、相続では特にややこしいポイントのひとつなので気をつけてください。

 

相続財産調査(プラスの財産)

あかり

さて、それでは相続財産がだいたいわかったところで、実際に調査をするにはどうしたらよいのかご紹介します。

 
 

かなた

なんだか難しそうですけど、やっぱりバッチリ網羅できちゃう方法とかあるんですよね!

あかり

いいえ、残念ながら被相続人の財産すべてを明らかにすることは難しいと言わざるを得ません。

 
 

かなた

えっ、そうなんですか!?

あかり

当人ですら把握しきれていない財産は意外とあるんですよ。
たとえばはるか昔に勤めていた会社で作った預金口座で解約していないものとか。

 
 

かなた

ふんふむ。
まぁ、あたしくらいの歳だとまだそういうことはあまりなさそうですね~。

あかり

また、当人は把握していてもいざ亡くなった後に他人が調べるのが難しいものもあります。
最近ではネットバンクがこれにあたります。
ネットバンクでは通帳が無いのが普通ですから、郵便物や聞き込み調査などで明らかにするしかありません。

 
 

かなた

なるほど、これはたしかにそうかもしれないですね。
あたしもネットバンクに口座は持っています。

あかり

まあそんなこんなで、他人の財産をすべて調べ上げるのは現実的には難しいのです。
かといってそれを言い訳にして良いわけもないんですが…。

 
 

かなた

……。
あっ、「言い訳」と「良いわけ」がかかってる!あははおもしろー

あかり

……ちょっと話がそれてますねー。戻しましょう!

 

あかり

通常の預金の調査は、通帳やキャッシュカード、銀行などから送られてくる郵便物でだいたい把握できます。
もしそれらでも不安であれば、その方の生活圏の支店を総当たりして照会します。

 
 

かなた

うわ、それは大変そうですね。

あかり

また、土地や建物などは固定資産税の通知などでだいたい把握できます。
各市町村で固定資産税の課税に使う「名寄帳」というものを見ることで調べることもできます。

 
 

かなた

ちなみに、さっきの一覧で疑問に思ったんですが、貸付金とかはどうやって調べるんですか?

あかり

契約書が無いか調べるか、借りてそうな知人が居れば問い合わせてみるかでしょう。
ただ正直なところを言うと、契約書が見つからなければ難しいかもしれませんね。

 

相続財産調査(マイナスの財産)

あかり

さて、冒頭でマイナスの財産の調査が大事であることを紹介しましたよね。

 
 

かなた

そうでしたね。
でも、具体的になぜなんでしょうか?

あかり

じゃあ逆に質問ですよ。

家族に内緒で借金していた人が居ます。
その人がある日亡くなりました。
家族はその人のプラスの財産だけを調査して、「相続手続きって大変だし、ゆっくり進めていきましょ」と考えていました。
そのまま3ヶ月ほどが過ぎたある日…。
突然、家族宛てに借金の取り立てが来ました。
さて、この場合家族たちはどうすればいいでしょうか?

 
 

かなた

どうって言われても…
そんな存在自体知らない借金なんて、払う義務もないんじゃないですか?

あかり

期待通りの回答ですね。

残念ながらこの場合借金の返済をしなければなりません。

 
 

かなた

ええー、そんな酷な。
って、それだからマイナスの財産も調査しろってことなんですね?

あかり

まあ端的に言うとそうなります。

かなた、3ヶ月ってのがポイントだったんですけど、何か思い出しませんか?

 
 

かなた

いいえ何も!

あかり

「3.2 相続手続きには期限がある」をもう3回くらいは読んでおきなさいねー。
3ヶ月何もしないまま経過してしまうと「単純承認」をしたとみなされるって説明しましたよね?

 
 

かなた

単純承認…?
あっ、そういうことか!

あかり

単純承認はプラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐ承認のことです。
つまり、存在を知っていようが知らなかろうが、借金も相続することを認めることになるのです。

借金の調査というと、亡くなった方のイメージを汚すようで避けてしまう気持ちはわかりますが、もし多額の借金を知らずに放置してしまったら取り返しがつきません。
借金の調査と承認の判断は密接に関係しているのです。

ちなみに取り立てる側も当然それを知っているので、亡くなってから3ヶ月間は黙り込んでいたりするらしいとかなんとか。

 
 

かなた

うわぁ~、それは怖いですね…。
じゃあどうやって調べたらいいんですか!

あかり

借金に関しても、個人間の貸し借りやヤミ金融だと調べることが難しいです。
ですが、一般的な借金ならば信用情報を管理している会社に問い合わせをすることで調査することができます。
主なものとして次の3カ所です。

 ・日本信用情報機構(JICC)
 ・CIC
 ・全国銀行個人信用情報センター

 
 

かなた

大事な手続きですね。
気をつけないと!

あかり

ちなみに、個人で調査することもそれほど難しいものではありません。
書式や必要な書類なども、問い合わせてみればいろいろと教えてくれると思いますよ。

 

まとめ

あかり

さて、今回のまとめです。
相続財産は、すべてを洗い出すことはできないかもしれませんが、ほぼすべてを調べることはできます。
後から財産が発見されると、何かと面倒なことになりかねないです。
専門家に任せっきりにするだけではなく、依頼者の積極的な協力も大事なのです。

 
 

かなた

あたし気づいたんですけど、あらかじめ自分の財産をリストアップしておくのってどうですか?

あかり

それはとても良いと思いますよ!

変な話ですが、亡くなる側も相続の知識を持っていれば、どんな情報を遺すと家族が助かるのかがわかります。
実はこういう細かい準備がありがたいかもしれないですね。

 

りょう先生の解説

りょう

今回は相続財産の調査についてです。

プラスの財産に目が行きがちですが、マイナスの財産調査もしっかり行ってください。
私も自分の母親が亡くなったときにはちゃんと問い合わせしました。
まあうちのオカンは借金なんぞしてないだろうとは思っていましたが、もし何かあったら遅いですからね。

「亡くなった人に借金があるかも」なんて話は遺された家族は聞かされたくもない話でしょう。
「ウチの人に限ってそれはない!」と考えるのはわかりますが、もしあって困るのは自分です。
非常に難しいデリケートな問題ですが、専門家としてここは確認しないわけにはいきません。
うまくアプローチをかけられるような話し方の工夫も我々には求められていると実感します…。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya