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3.5 遺産分割協議書

遺産分割協議書とは

あかり

さて、相続人が誰かもわかって、相続の対象となる財産も明らかになりました。
こうなればいよいよ相続人に実際に分配していくことになります。

 
 

かなた

おおっ、いよいよドロドロした人間ドラマが始まるんですね!

あかり

…かどうかはわかりませんよ。
もめるもめないはまた別問題ですからね。

 

あかり

さて、遺産をどのように分割するかは、遺言書がなければ基本的に当事者同士の話し合いになります。
遺言書が存在する場合については、後日遺言のほうでまたご紹介しますので、今回は遺言書が無いこととします。
ちなみに先日お話しした「相続割合」についても、当事者同士が納得して協議すれば別に従わなくても問題ありません。

遺産分割は口頭でも成立するものですが、現実には書面に起こしておかないと名義変更や変更登記などの申請時に、本当に相続人同士で協議が成立したのかを証明することができません。
この書面を「遺産分割協議書」といいます。

 
 

かなた

なるほど、たとえば銀行口座を相続するにしても、実際に紙になっていないと何の証明もできませんよね。

あかり

ちなみに「遺産分割協議」といっても別に一堂に会して話し合う必要はありません。
相続人だって全国に散らばっていたり、場合によっては外国に居る場合もありますし、そもそも全員が集まれるほどヒマではないことが通常でしょう。
分割内容について相続人全員が納得して、その協議書に印鑑を押せばOKです。

 
 

かなた

具体的にはどんな感じですか?

あかり

非常に簡単なものですが、サンプルを載せておきますね。

まず被相続人と相続人を特定し、相続財産を特定できる情報を列挙しておくこと。
そして各相続人の具体的な相続内容を書いて、相続人全員が署名押印することが基本的な形でしょうか。

 
 

 

遺産分割協議書の諸注意

あかり

それではいくつか注意点を紹介します。
まずは、「相続人全員で協議を行うこと」です。

これは相続人調査をしっかり行うことで漏れを防ぎます。
ちなみに、相続人の一部を欠く遺産分割協議は無効となってしまいます。

 
 

かなた

協議したあとに無効になってしまったら完全に手戻りですね。
今まで協議してきた時間も費用も無駄になってしまいます…。

あかり

そのとおりです。
だからこそ、相続人調査に漏れがあることは許されません。
相続人調査は、遺産分割協議を有効なものとするために行うのです。

また、調査漏れもそうですが、もちろん意図的に一部の相続人を除いて協議することもダメです。
これも相続人の一部を欠く協議になってしまうので当然ですね。

 
 

かなた

なるほどー。

あかり

また、遺産分割協議書には相続人が実印を押すのがふつうです。
このタイミングで初めて実印を作るという方も、わりと多いかもしれませんね。

実印とは市区町村にその人が印鑑登録した印鑑のことです。
登録をすれば印鑑証明を発行してもらうことができるので、確実にその人が押した印鑑であることを証明してもらえます。
ちなみに普通の印鑑のことは認印といいますが、認印は100円ショップでも売っているし本当にその人が押したものかどうかが後で争われたりすることもあります。
遺産分割協議書をはじめ、重要な書類への押印は実印が使われます。

 
 

かなた

実印かぁ…。
たしかにそんなの持ってないです。
そんな重要な書類に押印する場面なんて、あたしたちくらいの年齢だとまず無いですからね。

あかり

いざ遺産分割協議書に押印する段階になってから作るとそれだけでも多少の時間のロスがありますから、人生で何度か使うことにはなるでしょうし早めに用意しておくのもいいかもしれませんね。

実印は非常に大事なものです。
紛失したり人に貸したりは絶対にしないでくださいね。
困るのは自分ですよ♪

 

あかり

さて、あと大事なことは、「遺産分割協議後に新たに発見された遺産をどうするか」ということでしょうか。
相続財産調査のときにも言いましたが、被相続人の財産をすべて洗い出すことは現実には難しいので、後日遺品整理をしていたら新しい預金が見つかった、といったことも想定されます。
原則としては、新しい遺産が見つかったら、改めてその部分について遺産分割協議をする必要があります。
ですが、いつまでもいちいち協議をしなければならないのも現実的ではありません。
そこで、「遺産分割協議の時点で判明していない被相続人の遺産が後日発見された場合は、すべて相続人○○が相続する。」といった感じで区切りをつけてしまうのもアリです。
もちろん本来は都度協議をすべきなのですが、どこかのタイミングでこういった文言を入れておかないといたずらに協議を長引かせることになります。
こういったことも当事者同士で話し合って決める必要があると思います。

 
 

かなた

遺産分割協議を行って数年経ってから新しく見つかったりしたら、たしかに大変そうですね。
まとまるかどうかは別にして、こういったことも考えておく必要があるんですねぇ…。

あかり

最後に、遺産分割協議書は相続人の人数分作成します。
すべての相続人がそれぞれ1通ずつ保管するためです。

それをもっていけば銀行などで名義変更手続きを始めることができるはずです。

 
 

かなた

おおー、やっとこれでできるんですね。

あかり

そんなすぐにはできませんけどね。
ここからさらに銀行ごとに必要書類を指示されますので、改めてそれらを持参して手続きを行ってもらいます。

 
 

かなた

ううー、まだやることがあるんですかぁ…。

まとめ

あかり

さて、実は相続に関しては今回が最終回です。
相続業務の一連の流れを大まかにご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
現実には紹介した知識だけでは壁にぶつかってしまうことも多々あります。
というか、この知識だけではまず無理だと思います。

 
 

かなた

説明してる側がそれを言ってしまいますか…。

あかり

最初に言ったとおり、相続案件は千差万別の事情が絡んできます。
特効薬的な方法は無いと言ったでしょう?
ですが紹介した程度のものでも知識があると無いでは、自分で行うにしろ専門家に依頼するにしろ絶対に違いが出てくると思います。

 
 

かなた

確かにそれはそうですよね。
実務を垣間見ることができてとても勉強になりました!

あかり

かなたはもうちょっと基本的なところから勉強しなおしたほうが良さそうですけどね♪
試験には実務的なことは出ませんが、相続人の範囲や相続割合などは絶対出てきますから。

 
 

かなた

うう、おっしゃるとおりです。
はやく行政書士になれるようにがんばるぞーっ!

りょう先生の解説

りょう

今回は遺産分割協議書についてです。

相続人同士で遺産をどのように分割していくかを決定することが「遺産分割協議」で、その結果を書面にしたものが「遺産分割協議書」です。
遺産分割協議書は、銀行等で名義変更を行う際に必ず求められる書類です。
登記に使用するにはさらに細かい点に注意が必要だったりします。

遺産分割協議書の作成は一般の方でも比較的容易にできるのではないかと思います。
書籍やインターネットにも雛形はたくさんあります。
注意すべき点もいろいろ調べることができます。
勉強と思ってご自身で作ってみるのも良いかもしれません。

さて、相続については今回で終了です。
自分でも思ったより回数が少なくてビックリですが、次回は関連するものとして「遺言」をテーマに連載していきたいと思います。
拙い内容かもしれませんが、引き続きよろしくお願いいたします。

※補足(2013年12月16日) → すみません、最後ではありませんでした。3.6に続きます。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya