プロフィール、事務所概要は事務所ホームページをご覧ください。
トップページ > 教えて!あかり先生 > 自筆証書遺言を作るポイント

4.4 自筆証書遺言を作るポイント

はじめに

あかり

自筆証書遺言のメリットとデメリットを見てきましたので、今回は作る際のポイントをご紹介します。

 
 

かなた

お~、いよいよ実際に作るんですね。
楽しみです!

準備

あかり

まずは準備段階から解説します。
準備と言っても、メリットでご紹介したとおり自筆証書遺言は作る際の敷居の低さがメリットの一つでした。
したがってそれほど多くの準備が必要というわけではありません。

 
 

かなた

そうでしたね。
紙とペンと印鑑があればいいんでしたっけ?

あかり

ええ、確かに最低限必要なものはそうです。
ただし遺言書を作る前に相続人が誰であるか相続財産をリストアップしておくべきでしょう。
遺言書を書くうえでこれらは把握しておかなければなりませんからね。

さて、紙についての制限はありませんが、通常は便せんやレポート用紙などの手書きしやすい紙にすべきです。
また、長期間の保管になる可能性もあるので耐久性に優れた紙のほうがいいでしょう。
遺言書作成用のセットなども市販されていますのでそういうものを購入してもいいかもしれません。

 
 

かなた

そうなんですか!
セットを使えばミスも減りそうですし、これはいいですね~。

あかり

また、印鑑についても決まりはありませんが、可能ならば実印を使うのが良いでしょう。
本人が作ったものであることがより明確になります。
市販されている認印(三文判)でも構いませんが、ゴム印のものやいわゆるシャチハタなどは避けた方が無難です。

 
 

かなた

あの、実印ってどういうものなんですか?

あかり

実印というのは住民登録している市区町村の役所や役場に登録した自分の印鑑のことです。
印鑑登録をしておけば、印鑑証明書を発行してもらうことで本人の印鑑であることを公的に証明してもらえます。
家を買うときや相続手続きなど重要な契約の際には必要になりますよ。

 
 

かなた

なるほどー。
あたしはまだそんなの用意してないなぁ…。

あかり

若い方ならば実印を作っていない方もたくさんいると思います。
相続などで初めて作る人も多いと思いますよ。

 
 

かなた

わかりました。
今度そういう機会が訪れたときに用意すればOKですね!

あかり

他には封筒も用意しておいた方がいいですね。
封筒は必要ではありませんが、内容を秘密にでき改ざんなどをある程度防止することが期待できます。
高いものでもないので用意しておきましょう。

 
 

かなた

ふんふむ。
じゃあこれで準備はOKですねー!

あかり

まだです。
他にも書く内容に応じて用意するものがありますよ。
たとえば相続財産に不動産があるなら、その不動産の登記簿謄本を用意しておきましょう。
登記簿謄本は法務局で誰でも取ることができます。
また、預金口座があるなら預金通帳を用意しておくと良いでしょう。

 
 

かなた

なんだか敷居が低いという割には意外とありますね…

あかり

デメリットで紹介したように、対象となるものが特定できないと無効になってしまうおそれがあります。
これらは最低限必要なものですので用意するようにしてください。

 

書き方

あかり

では書き方の注意点です。
実は書き方についても厳密に決められているわけではありません。

 
 

かなた

うおっと、そうなんですか…。
意外とアバウトなんでしょうか?

あかり

具体的な文章や書き方については書籍を参考にしたり専門家に相談してみるのも良いかと思います。
ここではポイントだけいくつかご紹介しておきますね!

(1)遺言書だとわかる表題をつけておく
(2)相続する財産、相続させる相手の情報は特定できるよう明確に
(3)預貯金などは金額が変動しやすいので具体的な金額を指定しないほうがよい
(4)遺言執行者を指定しておく
など

 

あかり

遺言内容を書き終わったら、日付、氏名を書いて印鑑を押します。
日付は「平成○年○月」や「平成○年○月吉日」などでは特定できないのでNGです。
年月日すべて書いておきましょう。
なお、年は西暦でも元号でもどちらでも大丈夫です。

押印については前述のとおり実印がベストです。
拇印は過去に認められた例もありますが確実ではないので避けるべきです。

 
 

かなた

ぼいんぼいーん!

あかり

………

 
 

かなた

ちょ、せめて何か言ってくださいよ…

あかり

また、氏名についての補足ですが、複数人がまとめて遺言書を書くこと(共同遺言)は禁止されています。
夫婦連名で遺言書を残したい、といった場合もあるかと思いますが、こういうときはそれぞれが別々に遺言書を作らなければなりませんのでお気をつけください。

 

訂正方法

あかり

最後に訂正方法をご紹介します。
自分で手書きするわけですから、当然書き間違ってしまうこともありますよね。
訂正方法に関しては民法できちんと決められていますので守るようにしてください。

 
 

(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

あかり

ここでチェックすべきは2項のほうです。
どこを訂正したか、どのように変更したかを付記して署名し、変更した場所に押印しなければなりません。
具体的には次のようになります。

 
 

 

あかり

あまりにも訂正が多くなってしまった場合には一から書き直したほうがいいかもしれません。
そのあたりが気軽にできるのも自筆証書遺言のメリットです。
なお、訂正を減らす意味でも下書きは絶対にするようにしてくださいね。

 
 

かなた

下書きは別に手書きでなくてもいいんですよね!

あかり

ええ、もちろんです♪

 

まとめ

あかり

さて、以上で遺言書が完成しました。
最後に封筒に入れて封をします。
ここでも一つポイントがあります。
かなた、わかりますか?

 
 

かなた

切手を貼り忘れないことです。

あかり

あなたは遺言書をどこに郵送するつもりですか?
かなたみたいな人が遺言書を見つけたとき、遺言書を勝手に開けてしまうことが想像できませんか?

 
 

かなた

失礼な。
遺言書を勝手に開けたら5万円以下の過料に処されるんですからそんなことしませんよ!

あかり

そういうところだけはよくおぼえていますね。
ですが、その通りです。
遺言書は勝手に開封されないように「この遺言書は勝手に開けてはならない。家庭裁判所へ持参し手続きをすること」といったメッセージを封筒に書いておきましょう。
普通は遺言書を見つけてもどうすればいいかわからないと思うので、これは何気に重要なポイントです。

 
 

かなた

うーん、さすがあたし!

あかり

…さて、遺言書は作り終わってハイ終わり、ではありませんよ?

 
 

かなた

ほむ?

あかり

遺言書の内容は飽くまでも作成時点の財産状況を基にしたものでしかありません。
将来的にはそこに記載されていない新しい財産ができるかもしれませんし、記載した預金口座を解約したりして財産がなくなるかもしれません。
また、相続させようと思っていた人が残念ながら自分より先に亡くなってしまう…といった可能性もあります。

遺言書は何度でも書き直しができます。
節目節目に遺言の内容を見直していくことも大切
ですよ。
1回作ってほったらかしにしておくことも、無効な内容の遺言書を作ってしまう遠因になると思います。

 
 

かなた

むむー…
遺言書を作るのもいろいろ大変ですね。

りょう先生の解説

りょう

今回は自筆証書遺言の書き方についてです。

具体的な内容について法的な制限はあまり多くありませんが、無効とならないように気を遣うポイントはわりとあります。
対象となる財産が特定できること、相続させる相手が特定できること…
また、預貯金の金額については流動性の高いものですので、たとえば遺言書で金額を具体的に定めても、遺言が実行される時点で金額が不足してしまっていては意味がありません。

遺言書は一度作って終わりではなく、作ったあとも定期的に内容を見直すことも大事です。

 
インデックスへ戻る

※免責事項

この記事は内容をわかりやすくするために、詳細な説明を省略したり言葉を置き換えたりして書かれています。
そのため厳密に解釈を行うと正しくない内容が含まれているかもしれません。
当サイトの提供する情報を利用することが原因で発生した損失や損害については一切責任を負いかねます。

© 2013 Ryo Tsuchiya