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4.8 秘密証書遺言とは

はじめに

あかり

3つめの遺言の方式、「秘密証書遺言」を紹介しますよ。

 
 

かなた

ヒミツですか。
なんか…カッコイイですね!!

あかり

(え、そう?)

 

秘密証書遺言とは

あかり

秘密証書遺言は民法の970条に規定されています。

 
 

(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

(秘密証書遺言の方式の特則)
第九百七十二条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。

 
 

かなた

毎度の「まずは条文から」ですね。

あかり

まとめると、秘密証書遺言は
(1)遺言者が作成した遺言書に署名押印し、
(2)それを封じて、押印したものと同じ印鑑で封印し、
(3)公証人と証人2人以上の前に提出し、自分の遺言書である旨と氏名住所を申述します。
(4)公証人は提出した日付と遺言者の申述を封止に記載し、遺言者および証人とともに押印
することで完成します。

 
 

かなた

おっ、また公証人の先生の出番ですね。

秘密証書遺言のメリット

あかり

秘密証書遺言のメリットはその名の通り、遺言内容を完全に秘密にすることができることです。
自分で作成した遺言書を封印してから公証役場へ持参するので、内容は本人以外には知られませんよね。

 
 

かなた

なるほど~。
たしかにそのとおりですね。

あかり

また、内容はもちろんわかりませんが遺言を作ったことが知られます
自筆証書遺言のように、「はたして遺言が存在するのかがわからない」ということがなくなります。

そして、公証人が間に入りますので、確かに本人が作った遺言であることが明らかになります
他人による偽造のおそれがないってことですね。

 
 

かなた

自筆証書遺言のときに、作成したのに見つけてもらえないっていう事例がありましたね。
ああなっちゃうとむなしいですよね…。

あかり

また、秘密証書遺言では自筆が求められていません
署名はする必要がありますが全文を自筆する必要がないので、字が書きづらいような方でも自筆証書遺言よりは作りやすいといえるでしょう。
ただし、秘密証書遺言の要件を満たさない場合に自筆証書遺言の要件を満たしていれば自筆証書遺言として有効になる規定があるので、可能な限りは自筆しておくほうがいいでしょう。(民法971条)

 
 

かなた

おお、以外とメリットがあるような感じですね~。

秘密証書遺言のデメリット

あかり

それじゃ、次はデメリットを挙げてみましょう。
かなた、いままでの話の中で何か気づきました?

 
 

かなた

んーと…。
ひとつ気づいたのは、自筆証書遺言のデメリットでもあった内容不備による無効の可能性があることですね。

あかり

おー、珍しくちゃんと聞いていますね。
そのとおりですよ。
「内容を秘密にできる=内容は誰にもチェックしてもらえない」ということですので、自筆証書遺言と同様に不備内容によっては無効になってしまうおそれがあります。

 
 

かなた

ちょっと!
なんだかんだでかなたちゃんは、ちゃんと聞いてますよ!

あかり

ほかのデメリットは、まず遺言書の保管です。
自筆証書遺言と同様に自分自身で保管しなければなりませんので、遺言書をなくしてしまったり、隠されてしまったりするおそれがあります。

また、秘密証書遺言は自筆証書遺言同様、家庭裁判所の検認が必要です。
怠ったらもちろん過料が課せられますよ。

 
 

かなた

む~…。

あかり

そして、秘密証書遺言でも公証人が絡んできますのでもちろん手数料が発生します。
『日本公証人連合会』のホームページ(http://www.koshonin.gr.jp/index2.html)に手数料が載っています。
公正証書遺言は遺言内容によって金額が変わりましたが、秘密証書遺言は内容が見られないので一律11,000円です。

 
 

かなた

やっぱり自筆証書遺言よりは費用がかかるんですね…。

今回のまとめ

あかり

秘密証書遺言については以上です。

最後にネタばらしですが、秘密証書遺言は現実ではあまり利用されていません。
自筆証書遺言よりも費用や手間がかかるわりに公正証書遺言のような確実性もありません。
ひとことで言ってしまうと、「中途半端」というのが理由かと思います。

 
 

かなた

なるほど。
参考程度におぼえておくことにします…。

あかり

さて、民法で定められている遺言の方式は以上の3つで全部です。
次回は民法の条文に沿って、遺言についてもう少し補足をしておきたいと思います♪

 

りょう先生の解説

りょう

今回は秘密証書遺言についてです。

秘密証書遺言は現実にはあまり利用されている方式ではありません。
内容を秘密にしたまま遺言の存在を明らかにできる利点はありますが、反面、手間と費用も多く、公正証書遺言ほど遺言の実行について確実性もありません。
作りやすい自筆証書遺言、信頼性の高い公正証書遺言のいずれかを選択するのが良いと思います。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya