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4.9 遺言に関する補足

はじめに

あかり

今回は民法に沿って遺言に関する補足をしておきたいと思います。

 
 

かなた

まだなにかいろいろあるんですね~。

あかり

今回は条文に沿って解説をしますのでちょっと退屈かもしれませんが、参考程度に聞いてください。

 

成年被後見人の遺言

 

(成年被後見人の遺言)
第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

 

あかり

最初は成年被後見人の遺言についてです。
成年被後見人とは「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」(民法7条)で、家庭裁判所により「後見開始の審判を受けた者」とされています。(民法8条)
具体的にいえば認知症が進んでいる人だったり精神障害等の人だったりしますが、こういった方が一時的に事理弁識能力を回復したときには、医師二人以上の立会いの下で遺言をすることができます。

 
 

かなた

おっ、3つの方式でしなければならない遺言の例外ですね。

証人及び立会人の欠格事由

 

(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

 

あかり

次の974条では証人になることができない条件が規定されています。
未成年者、相続人等、公証役場の関係者等は証人になることができませんので注意が必要です。

 
 

かなた

まあ遺言に対する中立性を考えるとしょうがないですよね…。

特別の方式

 

(死亡の危急に迫った者の遺言)
第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

 

あかり

さて、実は遺言をできる場合は他にもあります。
危急時遺言」と呼ばれるもので976条に規定があります。
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者は、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授することで遺言ができます。

 
 

かなた

死亡の危急に迫った者…ですか。
できればこうなる前に遺言書は作っておくべきなんでしょうけど、いつどうなるかは誰にもわかりませんからね…。

あかり

だからこそ、思い立ったときに準備しておくべきなんですよ~。

 
 

(伝染病隔離者の遺言)
第九百七十七条 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

(在船者の遺言)
第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

(船舶遭難者の遺言)
第九百七十九条 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
2  口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
3  前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
4  第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

 

あかり

さて、類似したものであと3つの特別の方式が規定されていますよ。
特別の方式として、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言があります。
とはいえ、これらは例外的なものですのでここでは細かい解説はしません。

 
 

かなた

船舶遭難者の遺言で、遺言を受けた人ははたして家庭裁判所に請求することができるんでしょうか??
なんかいろいろとツッコミどころもあるような…。

あかり

まあこれらのことを憶えておくともしかしたら良いことあるかもしれませんよ!的なヤツですよ、きっと。

 

外国に在る日本人の遺言の方式

あかり

最後に、これは今までよりは現実味があるものではないかと思います。
公証役場はもちろん日本国内にしかありません。
では、外国に居る日本人が公正証書遺言を遺すことはできないのでしょうか?

 
 

かなた

あ、確かに。
今はグローバルですから外国に居る日本人もたくさんいますよね。

あかり

答えは民法984条に規定されています。
公証人の職務は領事が代わって行うので公正証書遺言を作成することができるんですよ~。

 
 

(外国に在る日本人の遺言の方式)
第九百八十四条 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。

 

今回のまとめ

あかり

さて、今回は例外的な事項を紹介してみました。

 
 

かなた

意外と細かいところまで規定されているものなんですね~…。

あかり

特別な場合に遺言ができることはありますが、原則的には3つの方式のいずれかで行うものです。
今回の内容は参考までにしておいてくださいね。

 

りょう先生の解説

りょう

今回は遺言の例外的な方式についてです。

遺言は自筆証書、公正証書、秘密証書のいずれかで行うのが原則ですが、例外的に認められるものがあります。
それが今回紹介したものですが、やはり現実的にはあまり数は無いと思います。
あくまでも参考程度に。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya