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4.11 特別受益と寄与分

はじめに

あかり

これは相続にも関連するのですが、「特別受益」と「寄与分」というものがありますよ。

 
 

かなた

まだあるんですか…。

あかり

簡単にいうと、生前の行いによってその相続人への相続分を変化させるものです。

 

特別受益とは

 

(特別受益者の相続分)
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

 

あかり

まず「特別受益」から説明します。
「特別受益」とは、生前に被相続人から特別な利益を受けた相続人に対して、その分を本来の相続分から差し引くものです。

 
 

かなた

なるほど。
亡くなった人からお金なんかをもらっていた場合ですね。

あかり

そうですね。
条文にあるとおりですが、被相続人から遺贈または婚姻、養子縁組、生計の資本として贈与を受けていた場合に該当します。
とはいえ、たとえばただ単に生活費を出してもらっていたとかでは特別受益とはいえません。
他の相続人と比べて、特別にこれらの費用を出してもらっていたりした場合に該当する可能性が出てきますので注意してください。

 

寄与分とは

 

(寄与分)
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。

 

あかり

次に「寄与分」です。
これは特別受益の逆で、生前に被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人に対して、本来の相続分よりも多くするものです。

 
 

かなた

これらは効果が真逆のものなんですね。
これならまだわかりやすいかなぁ。

あかり

特別受益と違い、寄与分の算定が相続人の協議によるところがちょっと変わっていますね。
ちなみに具体的な事例には、40年間家業に従事した者や、ちょっと変わったものでは長男の妻の寄与分を長男に認定した事例があります。

 

特別受益・寄与分と遺言の関係

あかり

さて、これらと遺言との関係についてちょっとお話させてくださいね。

 
 

かなた

よろしくお願いしますっ!

あかり

特別受益や寄与分というのは一言で言うともめやすいです。
特別受益や寄与分はお互いの利害が反し合います。
特別受益は他の相続人には何としても認定させたいし、寄与分に関しては絶対に認定させたくないものでしょう?

 
 

かなた

うーん、相続のときの話でもありましたけど、やっぱりお金が絡むとどうなるかわからないものですかねぇ…?

あかり

当事者間でもめれば調停、最悪裁判まで移行しかねません。
そうなるとお金も時間も余計にかかってしまうことになります。
また、相続人同士の関係もより悪化してしまうでしょう。

 
 

かなた

そうですよね…。
どうにかならないんですか!

あかり

ですので、特別受益や寄与分でもめそうな場合にも遺言を作っておくべきなのです。
相続人それぞれの事情に応じて、遺言で相続分を指定してしまうのです。
当事者同士であーだこーだと話し合うよりも、遺言で理由も付けて相続分が指定されているほうがまとまりやすいのではないでしょうか。

 
 

かなた

なるほど~。
遺言はこういうときにも利用価値がありますね!

あかり

同じ立場の相続人の意見は聞きたくないが、(今回亡くなった)親の意見ならばしぶしぶ従う、といったことも考えられますしね。
とはいえ、そのためには指定する相続分の算定に具体的な根拠が無いと遺言があっても納得してもらえないですよね。
こう言ってしまっては元も子もないですが、一番なのは生前に当事者同士で話し合っておくことだと思います。

 
 

かなた

遺言にも限界があるってことですね…。

あかり

「死人に口なし」という言葉がありますよね。
普段は何かと悪い方向に使われていますが、言い返せば「生きているうちに話しておきましょう」とも考えられませんか?
やはり相続対策は直接話し合うのが一番だと思います。

 
 

かなた

なんか綺麗にまとめたっぽいけど、まだまだ遺言の話は続くよ!

りょう先生の解説

りょう

今回は特別受益と寄与分についてです。

これらは相続分を変化させるものですので、相続とも関係してきます。
特別受益は被相続人から特別な利益を受けていた者の相続分を減らすものです。
寄与分は被相続人に特別な貢献をした者の相続分を増やすものです。
これらはお互いの利害に直接影響し、反しあいます。
相続人同士の関係が悪いともめて調停、裁判にまで発展しかねません。

当事者同士で決定することが難しそうなことが予想されるときにこそ、遺言をオススメします。
特別受益や寄与分を考慮した相続分を遺言で指定しておくのです。
また、相続分を遺言で指定する場合には、その根拠も大事です。
後日紹介する「付言事項」で想いを伝えることも非常に有効です。

 
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© 2013 Ryo Tsuchiya